茅野嘉亮:愛娘と、トランペットと、ウクレレと、車と、海と…神戸で見付けた自由な生き方♪

神戸で家族や楽器と共に自由な生き方を実践する茅野嘉亮さんのインタビュー画像

「音TOWN」をリリースして約3ヶ月。今回は「QOL」「持続性」「多様性」の発信に共感してくださったトランペット・ウクレレ奏者の茅野嘉亮さんからご連絡をいただき、急遽インタビューをさせていただく事に。

奥様の死を乗り越え、新天地で歩む茅野さんの自由な生き方、音楽の発信に注目です!

『音TOWN』(おんたうん)は、『音楽“と”生きる街』をコンセプトに、(プロアマ問わず)音楽家がより生きやすくなるために、主に音楽以外の有益な情報をお届けしています。

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この特集は、『音TOWN』が目指す「QOL」(クオリティ・オブ・ライフ)「持続性」(サステナブル)「多様性」(ダイバーシティ)を実践している音楽家さん、経営者さん、経営しているお店などをご紹介するコーナー。

これからの時代に合った柔軟な生き方のモデルが見つかるかも!?

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この記事を読むと役に立つ人は!?

・音楽家・演奏家と他の仕事との両立を考えている方
・地方移住に興味のある方
・音楽関係のクラウドファンディングの企画や支援をしてみたい方

読んだらどんな良い事が!?

・「プロの音楽家は音楽以外の仕事をしてはいけない」という先入観から解放される
・地方移住という選択肢を知り、視野が広がる
・クラウドファンディングに参加する事が出来る

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音大生のための“働き方”のエチュード/著:藤井裕樹
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妻の死を経て、神戸へ


<車のイベントでウクレレワークショップや楽器の販売をしている茅野さん>

藤井:今回はご連絡をいただき、ありがとうございます!

早速ですが、読者に向けて簡単に自己紹介をお願い出来ますか。

茅野:こんにちは。トランペット/ウクレレ奏者の茅野嘉亮(かやのよしあき)です。

僕は、物心がついた頃から父の影響でクラシックギターを弾いていて、トランペットは小学校4年生の時、学校のブラスバンド部で始めました。

参考に買ってもらったCDがクリフォード・ブラウン「スタディ・イン・ブラウン」で、そこからジャズトランペットに憧れて、この世界に入ったんです。

今、自分のバンドではアドリブ(即興演奏)のある音楽が多く、他には、いわゆるスタジオミュージシャンや、ビッグバンド関係のお仕事もしていますね。

30歳くらいの頃に、スランプでトランペットがうまく吹けなくなった事があって、気分転換にサーフィンを始め、同時に、海との相性が良いウクレレも始め、それが今では仕事の一部になりました。

2年ほど前まで東京を拠点に活動していましたが、現在は神戸に移住して活動しています。

藤井:3年半ほど前、ジャズピアニストの奥様が白血病で亡くなられたんですよね。

実は僕も幼い頃に母を白血病で亡くしていて、兄と僕の2人の子どもを残して逝ったので、自分と重なる部分も多く、知らせを受けた時には胸が締め付けられる想いでした。

その後「どうしているかな?」と気になっていたんですけど、「神戸で心機一転、娘さん2人と楽しく暮らしている」と便りをもらって嬉しかったです。

茅野:妻が亡くなってから、2年ほど実家のある埼玉県に住んでいました。

妻が僕と結婚する前、大阪に住んでいた時期があり、ミュージシャン仲間が多く、ライブをブッキングしやすかったのもあって、神戸にも時々演奏の仕事で来ていたんです。

その中に「feel dining cafe & sea」という、六甲アイランドの海沿いで、神戸の海が見渡せるお気に入りのお店があったんですが、ふと行きたくなり、訪れたのがきっかけで、お店でウクレレレッスンをやらせてもらうようになりました。

最初は埼玉から通っていたんですが、神戸という街や海辺での生活に憧れて、後に移住する事になったんです。

ここ数年、とても大変な時期を過ごしたのもあって、気持ち的に新しい環境に身を置きたかったのもありました。

藤井:自分の気持ちを整理するためにも、新しい環境が必要だったのかもしれませんね。

しばらく暮らしてみて、神戸での生活はどうですか。

茅野:神戸は大好きな街ですが、環境が大きく変化した事による疲れなのか、家族みんなで体調を崩したり、引っ越しの手続きや、娘の卒業と入学があったりでドタバタしていて、移住して1年ちょっとなんですけど、なかなか安定しない生活をしていました。

育児に関しては、周りの方々にサポートしてもらいながら基本的には1人でやっているんですけど、上のお姉ちゃんが家事を手伝ってくれるので、助かっています。

大変だなと感じる事はもちろんありますが、それ以上に楽しいとか、嬉しい事が多いですよ。

毎日、やりたい放題やってます(笑)。

音楽の仕事は、関東と行き来しながら演奏やレッスンの仕事をしたりで、最近では関西でも少しずつ演奏の仕事が増えてきました。

コロナ禍でリモート技術が発達したおかげもあって、神戸にいてもデータのやり取りで録音のお仕事が出来るようになったのはありがたいですね。

あと、僕はアメリカの車が大好きなんですけど、そのおかげで、車関係や、焚き火やお祭りといったアウトドアイベントでの演奏もたくさんやらせていただいていますよ。


<神戸に移住してからの焚き火イベントでのお仕事(兵庫県)>

大好きな車の仕事との両立で学んだ事とは!?

<茅野さんの愛車「GMC サファリ」GTRVというカナダのキャンピングカー屋さんが手がけた、ポップアップルーフ仕様の車>

藤井:アメリカの車というのは?

茅野:小さい頃から車は大好きで、特に29歳で買ったアメリカのシボレーシェビーバンをきっかけに、アメリカの車が大好きになりました。

藤井さんと初めてライブで共演した頃、実は「Buddy Auto」という車屋さんでも働いていたんですよ。

「バンライフ」(キャンピングカーなどでの車中泊)がブームになって、世界中のインスタグラムでも素敵なバンをアップする人がたくさんいたんです。

その写真で見るような車を扱うお店でお仕事が出来たのは最高の経験でしたね!

フリーランスのミュージシャンって、毎日同じ時間に出勤して、同じ人に職場で会って「おはよう!」って言う経験ってないじゃないですか。

サラリーマンでは当たり前の事かもしれないけど、そんな小さな事も新鮮でした。

藤井:苦労もありましたか?

茅野:車の仕事はものすごく力仕事なので、働き始めたばかりの頃は全然体力が足りなくて

特に夏の車内の作業は、かなり暑かったですし。

車は昔から好きだったものの、整備の知識は全然なかったので、最初は苦労しましたね。

でも、好きな事なので今でも勉強を続けていて、当時よりもだいぶ詳しくなったと思います。

あと、整備をしていると知らないうちにちょこちょこと細かい傷が出来るので、楽器の演奏に支障がないようにケガには注意が必要でした。

<茅野さんが働いていた車屋さん「Buddy Auto」でのお仕事の様子>

藤井:音楽と両立するなかで、良い事もありましたか?

茅野:働かせてもらったお店のオーナーがとても良い方で、ありがたい事に、休み時間にトランペットの練習までさせてもらっていましたし、スタッフの皆さんもライブにも来てくださったり、作品(CDではなく、あえてカセットで制作したアルバム)を買ってくださったりで。

車だけでなく、オリジナルの革製品の販売もされている方で、整備工場の2階がギャラリーになっていたんですけど、そこでも僕の作品を置いて売ってくださったりと、本当に良くしていただきましたよ。

「バン」「アウトドア」のスタイルって、僕のやりたい音楽とリンクする部分も多くて、「ミュージシャン 兼 車屋」という二足のわらじの生活は、僕のオリジナリティ、アイデンティティをより色濃くしてくれた気がします。

藤井:良い経験になったんですね!

茅野:コロナ禍を経て、日本でも以前よりは「専業ミュージシャン以外はプロとしてNG」みたいな風潮は薄れてきていて、ミュージシャンも多様な時代になってきていると感じますが、まだまだ副業・複業をしているのを公表しづらい雰囲気があるのも事実ですよね。

そのせいで経済的にだったり、精神的にだったり、苦しんでいる人が意外に多い気もします。

僕の経験から言える事は、自分が音楽以外の他の事でも熱中出来るものがあれば、全く別ジャンルでも何の違和感もなく出来るし、むしろ僕のように、自分の発信する音楽にも「良い影響」や「相乗効果」が生まれる場合もあると思うんですよね。

「音楽」「車」も、僕にとっては「自分の人生そのもの」なので、同じ事をやっているようなものなんです。

多様なライフスタイルを送る仲間たちとのクラウドファンディング♪

<気の合う仲間とのセッションの様子@作品を置いてもらっていた車屋さんの2階「Sturdy Luggage Supply」

藤井:ここ数年、本当にいろいろな事があったと思うんですけど、それらを経て、「茅野さんらしい生き方」を見付けたという感じがしますね!

日本の音楽業界は「専業じゃないとNG」という雰囲気もですが、「東京が全ての中心・東京が一番上」という雰囲気もあるような気がしています。

茅野:例えばアメリカの場合、ニューヨークロサンゼルス「違う」だけで、それぞれの「良さ」「特長」がありますよね。

藤井:茅野さんのように、東京(関東)を拠点にしていた人で、出身地ではない関西に移住してミュージシャンをやるって珍しい気もするんですけど、こういう「ライフスタイル」もありだな!って思いましたよ。

実は僕も両親は大阪出身で、生まれた病院は母親の実家近く。生粋の関西人なんです(笑)。

ジャズだけでなく、アーティストさんのツアーサポートやスタジオミュージシャンの仕事もとなると、どうしても東京を拠点にせざるを得なかったんですが、今日こうして茅野さんの体験を聞かせていただいたら、違う場所での生活も良いな、出来るかもって感じましたね!

茅野:先ほども少しお話ししましたけど、コロナ禍を経て、ミュージシャンもリモートでのお仕事が出来るようになりましたしね。

実は今月、「多様なライフスタイルのミュージシャンで、オンラインでアルバムを制作しよう!」というプロジェクトのクラウドファンディングに挑戦中なんです。

藤井:面白そうですね!

茅野:参加ミュージシャンは、僕は神戸在住ですが、島根の方、神奈川の方、育児中の方、釣りが大好き過ぎて、船舶免許まで取って、いつも海の上にいる方だったりで、それぞれのライフスタイルをもっています。

一例ですが、女性ミュージシャンの場合、出産を機に、特に仕事とのバランスが劇的に変化するので、幼い頃からずっと音楽に打ち込んできた人が、そのスタイル・リズムを変えるのは結構な不安があるようですね。

フリーランスは休んでいる間に、他の人に仕事が渡ってしまいますし。

でも、そんな不安も人生の一部だし、出産、子育てをしないと味わえない経験や幸せもあって、それが「一人ひとりの音」になっていくんじゃないでしょうか。

東京の立派なスタジオで制作する音楽も、もちろん素晴らしいですが、さまざまなライフスタイルのメンバーがオンラインで「想い」「人生」を乗せて奏でる音楽も、逆に東京のスタジオでは生まれない、素晴らしい作品になると自負しています。

「音楽家に出来る事・使命」は、「音で皆様をハッピーにする事」ですよね。

このアルバムで一人でも多くの方を元気付けたいと思っていますので、共感していただける方はぜひプロジェクトに参加していただけると嬉しいです!

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<多様なLife Styleで音楽をデザインする、オンラインレコーディングプロジェクト>


「Sturdy Luggage Supply」での演奏の様子>


茅野 嘉亮(Yoshiaki Kayano)
(ウクレレプレイヤーとしての演奏の時は、『サニーカヤノ』名義)

トランペッター、ウクレレプレイヤー、作曲家、アレンジャー。

1981年生まれ。札幌出身。
日本を代表するトランペッター、曽我部清典氏、原朋直氏に師事。

高校生の頃から、トランペッターとして音楽活動を開始する。

その後ジャズの勉強を本格的に始めるべく、洗足学園音楽大学音楽学部器楽科ジャズ専攻に入学。

YUKI、中川祥子、GreeeeN,[alexsandors]等の、 メジャーアーティストのサポートや、 CM、ゲーム、映画等のスタジオワークもしながら、自分の音楽活動を精力的に行う。

2010年自身の初アルバム(トランペット)「Cosmology」をリリース。 ゲストも青木カレン、キム・ハクエイ、Jazzin’parkからSatoruを迎えての豪華なゲストで話題に。

日本のみならず、ロンドンやヨーロッパ圏でのラジオで放送されるなど、海外での評判も高い。

トランペットの演奏以外にも、ウクレレ奏者としても活動し、ウクレレ3人組のウクレリズムというバンドを作り、アルバム「Jolly」をリリース。

Motion Blue Yokohamaでの公演や、イギリス大使館からの招待演奏、八反安未果 のライブサポート、アパレルブランドのマッキントッシュでの演奏、スタジオワーク等で活躍している。

キクタニミュージック「MAHALO」のウクレレ・アンバサダーとして公式認定されている。

2020年7月3日セカンドアルバム「360」をカセットテープとダウンロードカード Sonocaでリリースし話題に。

2021年、10月15日に自身のソロユニット360 Open Air jamで、アメリカのバンをスタジオにして、制作、録音をした、アルバム「Vantastic Jam」をリリース。

2022年ボーカルに小林宏衣を迎えたミニアルバム「Breath」をリリース。初の作詞も行う。

JAZZの演奏はもちろん、得意としている深夜の都会的なサウンド、クラブシーン 等の音楽に加え、2010年頃からは、サーフィンやVanlifeで自然と関わり、自然の雄大さ、美しさに改めて衝撃を受け、自然を意識した音楽表現もしている。

■リーダーアルバム

isao osada presents “afrontier” 12 colours to 7 seas(コンピレーションに1曲参加)
Cosmology
This is the life
Floating
Kino
360

■その他,茅野嘉亮ユニット作品

Voltex(ZMZ)
Jolly(ウクレリズム)
Every your life(Cuties beats)
Talking on the sofa(somethiing new)
Enjoy now(somethiing new)
Talking on the beach(somethiing new)
Vantastic jam(360 Open Air Jam)
Breath(360 Open Air Jam)

藤井裕樹

藤井裕樹/音TOWNプロデューサー

【株式会社マウントフジミュージック代表取締役社長・『音ラク空間』オーナー・ストレッチ整体「リ・カラダ」トレーナー・トロンボーン奏者】 1979年12月9日大阪生まれ。19歳からジャズ・ポップス系のトロンボーン奏者としてプロ活動を開始し、東京ディズニーリゾートのパフォーマーや矢沢永吉氏をはじめとする有名アーティストとも多数共演。2004年〜2005年、ネバダ州立大学ラスベガス校に留学。帰国後、ヤマハ音楽教室の講師も務める(2008年〜2015年)。現在は「ココロとカラダの健康」をコンセプトに音楽事業・リラクゼーション事業のプロデュースを行っている。『取得資格:3級ファイナンシャル・プランニング技能士/音楽療法カウンセラー/メンタル心理インストラクター®/安眠インストラクター/体幹コーディネーター®/ゆがみ矯正インストラクター/筋トレインストラクター』