全東信の破産から考える!フリーランス音楽家が「付き合う相手」を見極めるために大切な事/Vol.33
2026年7月、決済代行会社「全東信」が破産したというニュースが比較的大きく報じられたのをご存知でしょうか。
店舗経営をされていない多くの方は直接の影響はなかったと思いますが、顧客としてクレジットカード決済を行っていたお店など(飲食店や会費を支払っていたジムや習い事 etc.)では影響があったかもしれません。
一見「他人事」ですけど、こういった被害に巻き込まれないためのアンテナの張り方は、一経営者でもあるフリーランスの音楽家さんにも関係があるのではないでしょうか。
実は僕自身、2022年に店舗をオープンした際、この「全東信」と契約していたんです!
違和感を覚えて、紹介元のストレッチ専門店共々、早期に解約していたので被害はなかったのですが…
今回は、僕の経験をもとに、「信頼できる相手をどう見極めるか」を考えてみたいと思います♪(答えは結構シンプルです!)
『音TOWN』(おんたうん)は、『音楽“と”生きる街』をコンセプトに、クラシック・ジャズ・ポップス・吹奏楽などと関わりながら個性豊かに生きる「人」「お店」「団体」「会社」や、音楽家に必要不可欠な「お金・健康」の情報をお届けしています♪
→詳しくはコチラ
このシリーズでは、音楽を職業にしていくためにとても重要であるにもかかわらず、学校ではあまり教わらない“お金”について、改めて学んでいきましょう!お金について学ぶと「生き方」も明確になりますよ! →詳しくはコチラ
この記事を読むと役に立つ人は!?
・フリーランス・個人事業主の音楽家(演奏家)として活動している方
・キャッシュレス決済/クレジットカード決済のメリット・デメリットを知りたい方
・取引先から裏切られない/はさんの影響を回避したい方
読んだらどんな良い事が!?
・世の中の「お金の流れ方」の一部が分かる
・お金のトラブル回避の方法を知る事ができる
・結果、取引先に恵まれ、健全な仕事ができる
全東信とはどんな会社?何があった?

全東信は、店舗向けのクレジットカード決済サービスなどを提供していた決済代行会社。
加盟店は、VISA、JCB、アメックスというふうに、複数のカード会社と個別契約する必要がなく、一括して決済サービスを導入できる事や、比較的早く入金される(現金化できる)などを特徴としていたようです。
一方で、2024年には加盟店契約を巡る不適切な問題が報じられ、その後、資金繰りが悪化し、2026年7月に1000億円超えという、一般人にはイメージしづらい規模の負債を抱えて破産手続きへ入りました。
昨今はキャッシュレス決済、クレジットカード決済はほぼ必須になっていますが、お客さんが決済した時点では店舗に入金されていないので、破産直前の一定期間、商品の販売やサービスを行ったにも関わらず、売上金が入ってこないという事態が起きたわけです(多額の負債を抱えて破産しているため、補償されない可能性が高い)。
また、新たな決済サービスを導入するにしても、書類の提出や審査があり、早くても数週間はかかると思うので、特に小売りでなく、高額な商品やサービス(ジムだと回数券/サービスだと接客付きの飲食店 etc.)を提供していた店舗ほど影響が大きいようですね。
このような話は音楽家さんには関係がないように思うかもしれませんが、「クライアント(取引先)が直接ではなく、事務所や教室経由で、報酬の入金は後から」という「二段階の構造」はよくある事ですので、今回のケースから学べる要素があるかもしれません。
音ラク空間(株式会社マウントフジミュージック)は全東信と契約していた!
コロナ禍真っ最中だった2022年、「音ラク空間(おんらくくうかん)」というお店を始めました。
詳しくは上記の記事を読んでいただきたいのですが、「実店舗の経営」と「(音楽ではない)他事業展開」に挑戦してみたかったからです。
「音楽+αで、心と身体の両面から健康になるお店」
をコンセプトにして、以前、僕が顧客として通っていたストレッチ専門店とフランチャイズ契約をしました(音楽教室やレンタル事業は最初から自社オリジナル)。

フランチャイズ(以下FC)はコンビニ経営がイメージしやすいかもしれません。
ある一定の加盟料を納める事で、店舗オープンに必要な事務的なノウハウ、接客ノウハウなどが本部から提供されるので、極端な話、自分に何も知識や経験、商品開発や販売促進のスキルがなくても経営ができるわけですね(もちろん、全くないと後で経営が行き詰まりますが…)。
当時からうちの会社は「楽譜販売のオンラインショップ」は持っていて、クレカ決済は導入していたんですけど、ストレッチ専門店の施術料や回数券販売用ではなかったので、FC本部からの紹介に乗っかる事にしました。
その決済会社が「全東信」だったわけです。
担当の営業マンは最初から違和感ありで、いきなり約束を破り、店舗のオープン日に端末機械が届かず、設置が間に合いませんでした。
確かオープン2日前くらいに設置の予定だったのですが、その直前に、100%先方の自己都合のような事情で「すみません、間に合いません」という連絡が来て、その後も「早急に対応しよう」という気配もなく、「この会社はヤバいな!」とすぐに分かりましたね。
毎月の事務手続きも少しアナログで使いづらく、「何でFC本部はこんな会社を紹介してくるんだろう?」と、そちらにも違和感を覚えたわけですが、結果として、後の「即解約」という判断は間違っていなかったと思っています。
FC本部も同レベルだった!

先述のように、フランチャイズに加盟するメリットは、こちら側にその業種を経営するためのノウハウがなくても、必要な情報や人材が提供される事です。
デメリットは、その代わりに加盟料や月額といった対価を支払うという事ですね。
もちろん、対価を支払った分、必要なノウハウ、情報などが提供されれば良いのですが、うちが契約したのは大手のストレッチ専門店ではなく、FCの真似事をしているようなところだったので、蓋を開けてみたら内容はとてもお粗末。
元々は僕がここの顧客で、担当してくださっていたトレーナーさんの施術がうまく、会話の相性も良かったので信用したんですけど、本部の社長は誠意がなく、裏表のある人間だったわけです。
自社の売り上げアップしか考えておらず、ろくなノウハウも提供できないのに上前ははねるようなビジネスでした。
お客様に対しても、初回体験施術で不安を煽って会員を増やしたり、回数券を買わせるようなシステムだったので、弁護士を入れて半年程度で契約解除し、もちろんその時点で「全東信」も解約。
そういう人間が紹介する人や会社もまた誠意がないわけで、「全東信」はそれを見事に反映していましたね(正に「類は友を呼ぶ」)。
ストレッチ・リラクゼーション事業を自社オリジナルブランドの「ストレッチ整体リ・カラダ」に切り替えたタイミングで、別のキャッシュレス決済会社と契約し直しました。
(一度契約し、一定期間使い続けていたサービスを解約、新たに審査からやり直すのは想像以上に大変!)
FC加盟料や契約解除のための弁護士費用など、それなりの「授業料」は払いましたが、結果この時に解約していた事で、うちは今回の騒動に巻き込まれる事はなかったんですよね。
このFC本部が今回、「全東信」破産の影響を受けたかは分かりませんが、契約を続けていたら直営店で数百万円規模の損害を受け、うちのように紹介をしてしまったFC契約店からは不信感を持たれ、トラブルになっている事でしょう。
このようなトラブルを回避するには!?

フリーランスの音楽家さんが僕と全く同じ経験をする可能性は低いと思います。
でも、
「仕事をした事務所からギャラが入金されない」
「最初の話と金額や拘束時間が違う」
なんて話はよく聞きますし、今回の「全東信」のように、
「仕事をした音楽事務所・音楽教室が何の事前通告もなく破産した」
となれば、同じような被害を受けるはずですよね。
では、「どのようにしたらトラブルを回避できるか」なんですけど、考え方は意外にシンプルで、
「時間や言動など、約束を守っているか/お金をきちんと払うか = 誠意があるか」
という、これに尽きると思うんです。
僕は「まずは人を信用する事」「性善説」は大切だと思っているので、よほどヤバくなければとりあえずは信用してみるようにしています。
ただ、どこかのタイミングで違和感を覚えたら、その時の感覚(直感)を信じて、関係を続けないようにしているんですよね。
最初は印象が良くても、
「時間や納期を守らない(入金が遅れる)」
「最初と言っている事が違う」
「(自分に対してでなくても)人の悪口を言う/嘘を付いている」
「ミスをして形式だけの謝罪を繰り返している(完成品を納品できていないのに返金もしない)」
などがあれば、すでにサインは出ています。
100%は防げないですけど、かなりリスク回避ができると思いますよ!
言葉遣い“だけ”丁寧な人や会社は危険!

以前、僕と同じように現場の管楽器奏者出身で、ウェブ制作の事業を行う会社を起業をした人がいて、お仕事を依頼した事があります。
フリーランス時代は結構優秀で、依頼した仕事をかなり高いクオリティで納品してくれていたのですが、会社代表となり、スタッフやエンジニアに外注するようになったら、多忙なのか、管理が追い付いておらず、素人レベルのミスが連発するようになってしまっていました。
一応、「過去の信用貯金」があったので、しばらく依頼は継続していましたが、ミスや遅延は酷くなる一方。
そのたびに、
「心よりお詫び申し上げます」
「真摯に対応してまいります」
などの言葉を使うんですけど、全くもって行動が伴ってこないんですよね。
僕の個人的感覚では、発する言葉は
「すみません、すぐに直します!」
でも良くて、同じミスや遅延を繰り返さないほうがよっぽど誠意があると感じます。
経験上、このような「丁寧すぎる謝罪の言葉を使う人や会社に限って中身が伴っていない」と感じる事は多いですね。
結果的には「丁寧に謝罪して善処する」という「約束」を破っているので、こういうところとは早く離れたほうが良いと思います。
おそらく、しばらくの間はこれまでの人間関係や、内情がバレていない新規顧客とのお仕事で持つと思いますが、「全東信」のように、どこかで臨界点に達してしまった時、全てが終了になるのではないでしょうか。
ちなみにこの人は、他社のサイト(現在うちが契約している会社)の批判をし「私のほうがもっと良いものを作れます」的な営業文句もありましたね…(もちろん、本当にそうなら良いんですけど、他人の足を引っ張って仕事を奪い、結果お粗末な納品をしたら致命的です)
まずは
「自分自身が人を裏切らない、誠意のある言動をする事」
が大前提で、
少しでも相手の言動(あなたとの付き合い方)に対して違和感を覚えた時は、例え勇気が必要だったり、一時的に損害が発生する可能性があったとしても「離れる」
という行動が取れれば、大きなトラブルからは身を守れると思います。
皆さんはどう思いますか?
『フリーランスの音楽家さんも意識したい「QOL」とは!?/Vol.2』
参考:「QOLを見直す♪」
藤井裕樹/音TOWNプロデューサー
【株式会社マウントフジミュージック代表取締役社長・『音ラク空間』オーナー・ストレッチ整体「リ・カラダ」トレーナー・トロンボーン奏者】 1979年12月9日大阪生まれ。19歳からジャズ・ポップス系のトロンボーン奏者としてプロ活動を開始し、東京ディズニーリゾートのパフォーマーや矢沢永吉氏をはじめとする有名アーティストとも多数共演。2004年〜2005年、ネバダ州立大学ラスベガス校に留学。帰国後、ヤマハ音楽教室の講師も務める(2008年〜2015年)。現在は「ココロとカラダの健康」をコンセプトに音楽事業・リラクゼーション事業のプロデュースを行っている。『取得資格:3級ファイナンシャル・プランニング技能士/音楽療法カウンセラー/メンタル心理インストラクター®/安眠インストラクター/体幹コーディネーター®/ゆがみ矯正インストラクター/筋トレインストラクター』








