フリーランス音楽家が知っておきたい「節税」と「老後資金」!ふるさと納税・iDeCo・小規模企業共済を改めて考える♪/Vol.35

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10月に入り、食品だけでも3,000品目以上がまた値上げ…

原材料費や物流費、人件費などの上昇で、身近な物の価格が上がり続けています。

一方、酒税改正によってビールは減税となりました!

ビール好きの方、これまで発泡酒や第3のビールで我慢していた方には、ちょっと嬉しいニュースかもしれませんね(笑)。

とは言え、物価が上がったからといって、給料や報酬(ギャラ)まで同じように上がるとは限りません。

だからこそ大切なのが、「収入を増やす」だけでなく、「今あるお金を守り、将来に残す事」。

今回は、過去の「音TOWN.Biz」で紹介してきた「ふるさと納税」/「iDeCo・小規模企業共済」/「年金」などを振り返りながら、今こそ知っておきたい「お金の制度」を改めて整理してみたいと思います♪

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この記事を読むと役に立つ人は!?

・税金や社会保険料が高いと感じている方
・ふるさと納税、iDeCo、NISAなどを「聞いた事はあるけど、よく分からない」という方
・自分が将来いくら年金をもらえるのか把握していない方

読んだらどんな良い事が!?

・ふるさと納税やiDeCoの基本を改めて確認出来る
・「収入を増やす」以外にお金を守る方法が分かる
・老後資金を今から準備する必要性が分かる

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物価は上がる!でも、ギャラは上がっていますか?


2026年10月、主要食品メーカー195社では、合計3,153品目の飲食料品が値上げされました。

しかも、1回あたりの平均値上げ率は約10%。

原材料費だけでなく、物流費、人件費、エネルギー価格など、さまざまなコストが上がっています。

スーパーやコンビニで、

「また高くなったなぁ……」

と感じる機会も増えましたよね。

ちなみに、同じ10月1日から酒税も改正。

ビールは減税されました。

一方で、発泡酒やいわゆる「第3のビール」、チューハイなどは増税。

本物のビール派の方にとっては、ちょっと嬉しい改正かもしれません(笑)。

でも、ここで一つ考えたいんです。

物価の上昇に合わせて、アナタの演奏ギャラも10%上がりましたか?

おそらく、

「全然上がってない!」

という方も多いのではないでしょうか。

以前の「音TOWN.Biz」でも書いてきましたが、演奏家のギャラって、会社員のように、

「今年から基本給が3%アップ!」

みたいな事は、あまりないですよね。

・10年前と同じギャラで演奏している

・レッスン料も何年も変えていない

・交通費や楽器代、スタジオ代は上がっているのに、報酬は変わらない

そんな音楽家さんも少なくないと思います。

僕自身、音楽教室を運営・経営する立場で、「本当はレッスン料を値上げして、講師の報酬を増やしてあげたい」と思うのですが、これだけ生活必需品などで値上げをされてしまうと、趣味のようないわゆる「贅沢品」はさらに切り詰める方が多いので、なかなか難しいというジレンマがありますね。

かと言って、下記の記事で取り上げたように、講師の報酬をケチる、値切るのは言語道断ですが、大手は大手で、かなりギリギリの経営をしていると言えるかもしれません。

音楽教室だけではない!?フリーランス音楽家が「搾取」されないために知っておくべきお金の話_音TOWN.Bizサムネイル
『音楽教室だけではない!?フリーランス音楽家が「搾取」されないために知っておくべきお金の話/Vol.31』

もちろん、

「もっと仕事を増やそう!」「単価を上げよう!」

と考える事も大切ですが、それと同時に、

「今ある収入から、必要以上にお金を減らさない」

という視点も持っておいたほうが良いと思うんですよね。

「ふるさと納税」、やっていますか!?

フリーランス音楽家の節税にも役立つふるさと納税の仕組みと始め方 解説記事のサムネイル
『フリーランス音楽家の節税にも役立つ!?「ふるさと納税」入門♪/Vol.18』

フリーランス音楽家向け ふるさと納税の実践レポートと注意点を解説する記事のサムネイル
『ポイント付与は今月末まで!「ふるさと納税」実践レポート♪/Vol.20』

「音TOWN.Biz」では昨年、「ふるさと納税」について紹介しました。

実は僕自身も、それまで「ふるさと納税」をやった事がなかったので、実際にチャレンジ。

やってみると、

「ほぼ普通のネットショッピングと同じじゃん!」

というくらい簡単でした。

もちろん、所得や家族構成などによって寄付出来る上限額は違うので、その点は確認する必要があります。

また、厳密に言うと「ふるさと納税」は、税金そのものを安くする一般的な意味での「節税」とは少し違います。

自治体に寄付をして、一定の上限内であれば2,000円を超える部分が所得税や住民税から控除され、そのうえで返礼品を受け取れる制度。

つまり、

「どうせ納める税金の一部を、自分で行き先を選び、返礼品も受け取れる」

くらいに考えると分かりやすいと思います。

2025年10月からは、ふるさと納税サイトによる独自ポイント付与は禁止されました。

それによって、

「もう、ふるさと納税はお得じゃない」

と思っている方もいるかもしれません。

でも、返礼品そのものがなくなったわけではありません。

「お米」「肉」「魚」「野菜」「トイレットペーパーなどの日用品」

普段の生活で必ず使うものを選べば、今のような物価高の時代には家計の助けにもなります。

まだ一度もやった事がない方は、「難しそう」で終わらせず、一度くらい調べてみても良いのではないでしょうか。

フリーランスの年金は、基本的に「国民年金だけ」

将来受け取れる年金額の目安と確認方法をフリーランス音楽家向けに解説する記事のサムネイル
『フリーランス音楽家は「年金」を将来いくらもらえる!?/Vol.4』

そして、今回もう一度お伝えしたいのが「年金」です。

一昨年の「音TOWN.Biz」では、上記の記事を書きました。

会社員の場合、「国民年金(基礎年金)+厚生年金」という形で年金を受給するのが基本ですが、個人事業主やフリーランスの場合、基本的には「国民年金(基礎年金)」のみ。

2026年度の老齢基礎年金は、20歳から60歳まで40年間きちんと保険料を納めた場合でも、月額70,608円、年間で約84万7,000円しか受け取る事はできません。

もちろん、これは現在の制度・金額なので、将来どうなるかは分かりません。

また、老後の生活費は、

・持ち家か賃貸か

・住んでいる地域

・夫婦か独身か

・貯蓄がいくらあるか

などによって全然違います。

でも、

「老後、毎月約7万円の国民年金だけで生活出来るのか?」

というのは、多くのフリーランスの音楽家さんは、一度本気で考えたほうが良いと思うんです。

しかも、これは40年間きちんと納付した場合の満額。

未納期間などがあれば、当然受給額はさらに少なくなります。

フリーランスの音楽家さんの場合、「会社員のような厚生年金」「会社の企業年金」「退職金」といったものが基本的にはありません。

現役時代だけではなく、老後のお金についても、「自分で準備する働き方が必要」ですよね。

iDeCoを「自分で作る年金」にする!

フリーランス音楽家に有益な私的年金制度を活用した節税テクニック解説サムネイル
『フリーランス音楽家に有益な「私的年金」を活用した「節税」テクニック/Vol.5』

そこで以前の記事でも紹介したのが、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」です。

iDeCoは、自分で掛金を積み立て、投資信託や定期預金などで運用し、原則60歳以降に受け取る制度。

つまり、「自分で作る年金」と言っても良いと思います。

そしてiDeCoの大きなメリットの一つが、掛金の全額が所得控除になる事。

例えば「月額2万円/年間24万円」をiDeCoに積み立てれば、その24万円分、課税される所得を減らす事が出来ます。

その結果、所得税や住民税の負担を抑える効果があるんですね。

ちなみに、

NISAは、「運用して増えた利益に税金がかからない制度」。

iDeCoは、「掛金を出した時点でも税負担を軽減出来る制度」。

もちろん、iDeCoにも注意点があります。

・原則60歳まで引き出せない

・運用商品によっては元本割れする可能性がある

・受取時に税金がかかる場合がある

などですね。

ですので、「誰でも絶対にiDeCoをやるべき!」という話ではありません。

ただ、「よく分からないから何もしていない」というのであれば、一度仕組みを調べてみる価値はあると思います。

「60歳まで引き出せない」は本当にデメリットだけ?


iDeCoについてよく言われるのが、「60歳までお金を引き出せない」というデメリットですね。

急にまとまったお金が必要になったとしても、基本的に自由に取り崩す事は出来ないので、貯蓄がほとんどない状態で、生活費まで削ってiDeCoに入れるような使い方はNG。

でも僕は、

「ある程度、手元資金に余裕がある方にとっては逆にメリットでもある」

と考えています。なぜなら、

「60歳まで使えない事で、確実に老後まで残るから」。

老後のために貯金していたはずなのに…

「車を買った」「旅行に行った」「引っ越した」「趣味に使った」「宝くじやギャンブルに使った」「ビールが安くなったので飲み過ぎた」etc.

といった事が起こり得ますよね。

でもiDeCoなら、原則として60歳まで使えません。

つまり、半強制的に「未来の自分」にお金を残す事が出来る。

何のためのお金なのかを明確にしておけば、

「引き出せない=悪い制度」

とは限らないと思うんです。

小規模企業共済は「自分で作る退職金」


フリーランスや個人事業主であれば、「小規模企業共済」も知っておきたい制度です。

こちらは、「自分で作る退職金」というイメージですね。

会社員であれば、会社によっては退職金制度があります。

でも、フリーランスには会社から退職金が支給される事はありません。

だったら、自分で積み立てておく。

小規模企業共済も掛金が所得控除の対象になるため、現役時代の税負担を抑えながら、将来の退職金を作るという使い方が出来ます。

確定申告で使える控除をフリーランス音楽家向けに解説する記事のサムネイル
『フリーランス音楽家が確定申告に使える「控除」の話/Vol.10』

・iDeCoは「年金」

・小規模企業共済は「退職金」

このように役割を分けて考えると、分かりやすいかもしれません。

もちろん、小規模企業共済にも途中解約時の元本割れなど注意点があるので、「節税になるから」という理由だけで入るのではなく、何年続けるのか、何のために積み立てるのかまで考える必要があります。

確かにフリーランスは定年がなく、理論上、何歳まででも働く事はできますが(年金がなくても収入を得て生活できる可能性はありますが)、周囲を見渡すと、体調不良、大病などで活動休止になっている方が多くないですか?(芸能ニュースでも見かける頻度が多くなった気がします)

「自分は大丈夫」という、一種の正常性バイアスは危険かもしれません。

フリーランスの音楽家に最も有益な2つの投資とは!?/Vol.29_サムネイル_音TOWN.Biz
『フリーランスの音楽家に最も有益な2つの投資とは!?/Vol.29』
参考「最も有益な投資①「心身の健康」♪」

節税は「今の税金を安くする」だけの話ではない!


iDeCoや小規模企業共済の場合、「今の税負担を軽くしながら、将来使うお金を残す」という役割もあります。

フリーランスの場合、今月稼いだお金が、すべて自由に使えるお金ではありません。

「税金」「社会保険料」「将来の年金」「老後の生活費」「病気やケガで働けなくなった時のお金」

こういったものまで自分で考える必要があります。

会社員であれば、

・給与から税金や社会保険料が引かれる

・会社が社会保険料の一部を負担してくれる

・厚生年金がある

・会社によっては退職金もある

という仕組みがあります。

フリーランスは、

「自由度が高い反面、自分で準備しなければ何も準備されない」

ここは、かなり大きな違いだと思いますね。

国や自治体は「アナタはこれを使えますよ」とは教えてくれない!


そして、今回一番お伝えしたいのがここです!

「ふるさと納税」「iDeCo」「NISA」「小規模企業共済」「国民年金基金」「付加年金」「各種所得控除」

こういった制度は、別に怪しい節税テクニックでも、裏技でもなく、国や自治体などが正式に用意している制度です。

でも、

「◯◯さん、今年はこの制度を利用したほうが良いですよ!」

なんて、国や自治体から電話がかかってくるわけではありません。

むしろこのご時世、そんな電話がかかってきたら詐欺を疑ったほうが良いかもしれないですよね(笑)。

「制度は用意されている」「情報も公開されている」

でも、

自分に何が使えるのかは、自分で調べる必要がある。

という事なんですよね。

会社員であれば、税金や社会保険料は給与から自動的に引かれます。

年末調整も会社がしてくれます。

便利な反面、

「自分はいくら税金を払っているんだろう?」

「何の控除を使っているんだろう?」

「他に使える制度はないのかな?」

と考える機会は少ないかもしれません。

フリーランス音楽家に必要な確定申告の基本と節税ポイントを解説する記事のサムネイル
『フリーランス音楽家に必要な「確定申告」の基本と「節税」ポイント/Vol.2』

フリーランスの場合は確定申告をするので、会社員より税金に触れる機会は多いと思います。

でも、何となく毎年のルーティンとして行っていて、「どうやったら今より手元にあるお金を増やせるか、残せるか」を考えている方は意外に少ないのではないでしょうか。

僕自身も、昔からこういう事に詳しかったわけではありません。

コロナ禍で仕事がほぼなくなり、

「このままで大丈夫なのか?」

と思った事をきっかけに、税金、年金、投資、保険などを改めて勉強しました。

FP(ファイナンシャル・プランナー)3級を取得したのも、その延長です。

専門家になる必要なんてありません。

ただ、「自分のお金について、自分で最低限判断出来る」くらいの知識は持っておいたほうが良いと思いますね。

音楽家こそ「お金に強くなる」必要がある!


音楽家さんのなかには、

「お金の話をするのは何となくイヤ」

「芸術とお金は別」

「投資や節税って難しそう」

という方もいるかもしれません。

でも、僕はむしろ逆だと思っています。

・収入が毎月一定ではない

・ボーナスもない

・退職金もない

・病気やケガをしたら演奏出来ない

・突然仕事がなくなる可能性もある

・物価が上がってもギャラは簡単には上がらない

さらにフリーランスの場合、会社員のような厚生年金もありません。

だからこそ、

会社員以上に「お金の知識」が必要なのではないでしょうか。

もちろん、今回紹介した制度はプロのミュージシャンだけのものではありません。

普段は会社員として働きながら音楽を楽しんでいるアマチュアミュージシャンの方でも、「ふるさと納税」「iDeCo」「NISA」などを利用出来る可能性があります。

音楽家である、ないにかかわらず、「知っておいて損はない話」ですよね!

物価は上がる。

税金や社会保険料も高い。

でも、給料やギャラは簡単には上がらない。

さらにフリーランスの場合、老後の公的年金も会社員とは大きく違います。

こうした状況そのものを、個人の力だけで変える事は出来ません。

でも、自分で出来る事をやる、今日から制度を知る事は出来ます。

まずは「知らないまま」を一つずつ減らしてみてはいかがでしょうか♪

「音TOWN.Biz」では今後も、音楽家さんが「知らなかった事で損をしない」ためのお金や働き方について、出来るだけ分かりやすくお伝えしていきたいと思います!

藤井裕樹

藤井裕樹/音TOWNプロデューサー

【株式会社マウントフジミュージック代表取締役社長・『音ラク空間』オーナー・ストレッチ整体「リ・カラダ」トレーナー・トロンボーン奏者】 1979年12月9日大阪生まれ。19歳からジャズ・ポップス系のトロンボーン奏者としてプロ活動を開始し、東京ディズニーリゾートのパフォーマーや矢沢永吉氏をはじめとする有名アーティストとも多数共演。2004年〜2005年、ネバダ州立大学ラスベガス校に留学。帰国後、ヤマハ音楽教室の講師も務める(2008年〜2015年)。現在は「ココロとカラダの健康」をコンセプトに音楽事業・リラクゼーション事業のプロデュースを行っている。『取得資格:3級ファイナンシャル・プランニング技能士/音楽療法カウンセラー/メンタル心理インストラクター®/安眠インストラクター/体幹コーディネーター®/ゆがみ矯正インストラクター/筋トレインストラクター』